メインコンテンツへスキップ 上級プログラム 「Deep Work Professional Program」受付中 — 深く集中して働く力を、体系的に。 詳しく見る →

ワークフロー設計

一日の仕事を設計する — 深い仕事と浅い仕事の時間割をつくる

一日の仕事を深い仕事と浅い仕事に仕分けたうえで、先に時間割として書き込んで設計する具体的な方法を、時間割の実例とともに解説する。崩れたときの立て直し方も扱う。

Deep Work Systems Academy 編集部 約5分

朝の会議が終わった瞬間、今日やるべき仕事はまだ何も終わっていない。多くの人は「あとで集中してやろう」と考えるが、その「あとで」は結局メールの返信や急な相談に食われて、夜まで来ない。一日の仕事をあらかじめ時間割として設計しておかないと、深い仕事に使える時間は自然には生まれない。

要点

一日の仕事は「深い仕事」と「浅い仕事」に分けたうえで、先に時間割へ書き込むと守りやすくなる。深いブロックは集中力の高い時間帯に90分前後で確保し、浅い仕事はメール処理などをまとめて対応する枠を決める。時間割は崩れる前提で設計し、崩れたときにどう立て直すかもあらかじめ決めておく。

深い仕事と浅い仕事を分けてから時間割を組む

時間割づくりの出発点は、その日にやる作業を「深い仕事」と「浅い仕事」に仕分けることだ。深い仕事とは、認知的な負荷が高く、中断されると質が落ちる作業を指す※1。企画書の骨子を書く、設計を詰める、資料の論理を組み立てる、といった作業が該当する。浅い仕事は注意をあまり必要としない事務的な作業で、メール処理や日程調整、定型の報告書作成などが含まれる。仕分けをせずに一日のタスクを上から順にこなすと、浅い仕事が先に片づき、深い仕事は疲れた夕方に回される。これが「時間はあったのに深い仕事が進まない」という状態の典型的な原因だ。

実際の時間割の型 — 深いブロックを先に確保する

平日の基本パターン

ポイントは、深いブロックを会議より先に時間割へ書き込むことだ。空いている時間を後から深い仕事に充てようとすると、会議や急ぎの依頼が先にその枠を埋めてしまう。カル・ニューポートは、時間割を紙やカレンダーに先に書き込んで一日の輪郭を決める手法をタイムブロッキングと呼び、自身の生産性戦略の中心に据えている※2

09:00–10:30 深い仕事ブロック①(企画・設計など)
10:30–10:45 休憩
10:45–11:30 浅い仕事(メール・連絡対応)
11:30–12:30 深い仕事ブロック②
13:30–15:00 会議・浅い仕事の処理枠
15:00–16:30 深い仕事ブロック③(負荷が軽い日のみ)
16:30–17:00 翌日の時間割を組む

会議が多い日のパターン

会議が集中する日は、90分の深いブロックを一つも確保できないこともある。その場合は45分の短いブロックを2つに分けてでも、深い仕事の時間をゼロにしないことを優先する。ゼロの日が続くと、深い仕事に戻るための助走—前の作業の記憶や文脈を呼び戻す作業—が毎回一から必要になり、着手そのものが重くなる※3

時間割を守れない典型パターンと立て直し方

時間割は組んだ瞬間から崩れ始める。よくある崩れ方は三つある。一つ目は、深いブロックの直前に短い会議が割り込み、ブロックの前半が心理的な助走に消えるパターン。二つ目は、浅い仕事の枠が長引き、深いブロックに食い込むパターン。三つ目は、時間割どおりに始める合図がなく、なんとなく浅い仕事から手をつけてしまうパターンだ。三つ目への対処は、深いブロックに入る前の短い準備ルーティンを固定することで、この点は深い集中に入るための準備で扱った内容と重なる。

ただし、時間割どおりに一日を運べる日は現実には多くない。緊急対応や体調、チームの状況によって崩れることは前提として織り込むべきで、「崩れたら失敗」と捉えると時間割そのものを続けられなくなる。崩れた日は、翌日の最初の深いブロックを最優先で復旧させる、というルールをあらかじめ決めておくと、一日単位の乱れが一週間単位の崩壊に広がらない。

時間割と優先順位づけをつなげる

時間割は「いつやるか」を決める道具であり、「何をやるか」は別に決めておく必要がある。深いブロックに何を入れるかを毎朝その場で考えていると、判断だけで10分近く消費することも珍しくない。前日の終業時に翌日の深いブロックへ入れるタスクを一つか二つ、あらかじめ確定させておくと、朝は迷わずに着手できる。タスクの選び方自体についてはタスクに優先順位をつけるで扱った基準がそのまま使える。

次の一歩

時間割そのものを組む前に、深い集中に入る準備を整えておきたい場合は深い集中に入るための準備を、時間割に何を入れるか迷う場合はタスクに優先順位をつけるを参照してほしい。ディープワーク基礎講座では、時間割の設計と維持を実際の一週間で練習する回を用意している。詳細はこちら

参考文献

  • Cal Newport. Deep Work: Rules for Focused Success in a Distracted World. Grand Central Publishing, 2016.
  • Cal Newport. "My 'Oldest' Productivity Strategy." calnewport.com(タイムブロッキングとFixed-Schedule Productivityの解説).
  • Sophie Leroy. "Why Is It So Hard to Do My Work? The Challenge of Attention Residue When Switching Between Work Tasks." Organizational Behavior and Human Decision Processes, 109(2), 2009, pp.168–181.

関連する記事

Deep Work Systems

会員登録で、フルコースとニュースレターを受け取る

無料の記事だけでも実務に役立つ内容を目指していますが、会員登録いただくと、 実践講座の詳しい内容と、新着チュートリアル・更新情報のニュースレターをお届けします。 登録は無料です。メールアドレスは配信目的のみに使用し、第三者へ提供することはありません。