メインコンテンツへスキップ 上級プログラム 「Deep Work Professional Program」受付中 — 深く集中して働く力を、体系的に。 詳しく見る →

ディープワーク

ディープワークとは何か — 浅い仕事と深い仕事を分けて考える

ディープワークと浅い仕事の違いを定義し、区別が役に立つ理由と機能しない職場条件を、研究の裏付けとともに整理する。

Deep Work Systems Academy 編集部 約4分

締め切り前の資料作成中に、Slackの通知が立て続けに3件届いたとする。手を止めて内容を確認し、また作業に戻る。このとき厄介なのは、通知そのものより「確認し終えたあとも、注意の一部がそこに残り続けること」だ。ディープワークという言葉は、こうした状態を避け、認知的に負荷の高い作業に注意を途切れさせずに向け続けることを指す。

要点

ディープワークとは、気が散る要素を排した状態で認知負荷の高い作業に集中し続けることであり、対になる「浅い仕事」は事務連絡やメール処理など注意をあまり要さない作業を指す。両者を分けて考えると、1日の時間配分を見直す判断材料になる。ただし常時対応が求められる職種ではこの区別自体が機能しにくく、効果の大きさにも個人差・職種差があるため、万能の処方箋としては扱えない。

浅い仕事と深い仕事を、まず言葉として分ける

この分類はコンピュータ科学者のカル・ニューポートが著書『Deep Work』で整理したものだ※1。ディープワーク(深い仕事)は、新しいスキルを要する、あるいは既存の能力を限界まで使うような、認知的に負荷の高い作業。一方の浅い仕事(シャロー・ワーク)は、メールの返信、定型の事務連絡、簡単な調整業務など、あまり集中しなくてもこなせる作業を指す。どちらが偉いという話ではなく、脳への負荷が違うという区別にすぎない。

なぜ区別する必要があるのか

区別が役立つのは、1日のスケジュールを見たときに「今やっているのはどちらか」を自覚できるからだ。多くの知識労働者は、メール対応や会議準備といった浅い仕事の合間に深い仕事を差し込もうとする。だが心理学の研究では、作業を中断して別のタスクに切り替えると、意識が完全には戻らないまま次の作業に入ってしまう現象が報告されている。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のソフィー・ルロワは、これを「注意の残留(attention residue)」と呼び、未完了のタスクから注意を切り離すコストがあることを示した※2。米国心理学会(APA)がまとめたタスク切り替えに関するレビューでも、頻繁な切り替えは処理速度と正確さの両方を下げる傾向があると報告されている※3。数値の大きさは測定方法によって幅があり、常に一定の割合で生産性が落ちるとまでは言い切れない。

ただし、区別がそのまま機能しない現場もある

もっとも、この区別を職場にそのまま当てはめられるとは限らない。カスタマーサポートや現場の調整役のように、常時応答が業務の本質である職種では、そもそも「浅い仕事」を切り離す余地が小さい。一方で、管理職の1日は会議と意思決定の連続で、90分の連続した集中時間を確保すること自体が難しい場合もある。ディープワークは万人向けの処方箋ではなく、まとまった時間を取れる作業がある人にとっての、時間配分の考え方の一つだと捉えるほうが実務的だ。

次の一歩

区別ができたら、次は実際に深い集中へ入るための準備を整える段階に進む。時間帯と環境をどう設計するかは深い集中に入るための準備で扱っている。また、通知や作業中断がなぜ注意を奪うのかという仕組みをより詳しく知りたい場合は、注意をコントロールするも参考になる。ディープワーク基礎講座では、こうした区別を自分の職種に合わせて設計し直す演習を行っている(/course/)。

参考文献

  • Cal Newport. "Deep Work: Rules for Focused Success in a Distracted World." Grand Central Publishing, 2016.
  • Sophie Leroy. "Why Is It So Hard to Do My Work? The Challenge of Attention Residue When Switching Between Work Tasks." Organizational Behavior and Human Decision Processes, 109(2), 2009, 168-181.
  • American Psychological Association. "Multitasking: Switching costs." apa.org/topics/research/multitasking(2026年時点で公開中の解説記事、最新情報は公式サイトを参照のこと)。

関連する記事

Deep Work Systems

会員登録で、フルコースとニュースレターを受け取る

無料の記事だけでも実務に役立つ内容を目指していますが、会員登録いただくと、 実践講座の詳しい内容と、新着チュートリアル・更新情報のニュースレターをお届けします。 登録は無料です。メールアドレスは配信目的のみに使用し、第三者へ提供することはありません。