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ディープワーク

90分の集中ブロックを2週間続けた記録 — 続いたこと・崩れたこと

編集部の1人が平日毎日90分の集中ブロックを2週間守ろうとした記録。続いた工夫、崩れた日、そこから調整した内容を正直に書く。

Deep Work Systems Academy 編集部 約4分

編集部の1人が、平日の毎朝90分を1つの原稿執筆にだけ使うと決め、2週間続けてみた。結論を先に言うと、10日は守れて4日は崩れた。この記事は、その内訳と、崩れた日に何を変えたかの記録である。うまくいった話だけをまとめる気はない。

要点

平日10日間、毎朝90分の集中ブロックを確保する実験を行ったところ、完全に守れたのは10日中6日、時間を短縮しつつ守れたのが4日、通知対応や急な打ち合わせで崩れたのが4日だった。開始トリガーを固定した日は継続率が高く、前日の夜に翌日のタスクを決めていなかった日は開始が遅れやすかった。ただしこれは1人・2週間の記録にすぎず、一般化はできない。

ルールは3つだけにした

あらかじめ決めたルールは次の3つだけだった。(1)平日朝、メールとSlackを開く前に着手する。(2)スマートフォンは別の部屋に置く。(3)90分経過後に、実際に集中できた時間と中断内容を1行だけ記録する。ルールを増やすと守れなくなると分かっていたため、意図的に最小限にした。

1週目 — 開始トリガーが効いた日ほど続いた

1週目は5日中4日、ほぼ計画どおりに進んだ。効いたと感じたのは、前夜に「明日の90分で書く原稿」を1つだけ決めておく習慣だった。朝起きてから何を書くか考える必要がなくなり、着手までの迷いが減った。崩れた1日は、前日の夜にタスクを決めずに寝てしまい、朝になって何から手をつけるか考えている間にメールを開いてしまった日だった。開始トリガーを固定できた日と、そうでない日の差がそのまま結果に出た形だ。

2週目 — 外部要因での中断が増えた

2週目は状況が変わった。社内の定例会議が朝の時間帯に移動し、5日中3日は90分をそのまま確保できなくなった。そこで途中からルールを一部変更し、90分が取れない日は45分に短縮して同じ手順で実施することにした。短縮した日でも、開始トリガーだけは守ったため、集中の質自体は大きく落ちなかったという実感がある。ただし主観的な感覚であり、客観的に測定したわけではない。もう1日は、家族の急な用事で完全に中止となった。

崩れた日から分かったこと

4日間の崩れ方を振り返ると、共通していたのは「前日の夜の準備を省略した日」に集中が乱れやすいという傾向だった。これは私たちの2週間という短い記録から見えた傾向であり、統計的に検証したものではない。もっとも、注意が一度別の作業に向かうと完全には戻り切らないという現象は、心理学の研究でも報告されている。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のソフィー・ルロワは、未完了のタスクから注意を切り離すコストを「注意の残留」として説明しており※1、会議による中断が長引くほど元の作業に戻りにくくなるという実感は、この研究の指摘と方向性としては一致していた。

2週間を終えての調整

この記録を踏まえ、3つ目のルールとして「90分が確保できない日は、最低30分でも同じ手順で始める」を追加することにした。時間の長さより、開始トリガーを毎日欠かさないことのほうが、次の週への継続に効いているという印象を持ったためだ。一方で、会議の時間帯そのものを動かせない週も現実にはあり、環境要因まではこの記録だけでは解決できていない。

次の一歩

これから同じような集中ブロックを試したい場合は、先に深い集中に入るための準備で環境・時間帯・開始トリガーの設計手順を確認しておくと、今回のような記録が取りやすくなる。また、通知や会議による中断をあらかじめ減らす工夫はデジタルの気が散る要因を減らすで扱っている。ディープワーク基礎講座では、こうした記録の取り方と振り返り方を一緒に設計する回がある(/course/)。

参考文献

  • Sophie Leroy. "Why Is It So Hard to Do My Work? The Challenge of Attention Residue When Switching Between Work Tasks." Organizational Behavior and Human Decision Processes, 109(2), 2009, 168-181.
  • Cal Newport. "Deep Work: Rules for Focused Success in a Distracted World." Grand Central Publishing, 2016.

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